「iPhone X(テン)」の4大刷新ポイント

アップルは2017年9月12日(米国時間)、iOS 11を初期搭載するiPhoneの最上位モデルとなる「iPhone X」(アイフォーン・テン)を正式発表しました。初代iPhoneが登場した2007年から10年の節目となるiPhoneは「9」を飛ばして「X(10、テン)」と命名されました。

iPhone Xの予約開始日は2017年10月27日午後4時01分(日本時間)、発売日は2017年11月3日を予定。カラーバリエーションはシルバーとスペースグレイの2種類、容量は64GBモデルと256GBモデルをラインナップ。価格は64GBモデルが11万2800円、256GBモデルが12万9800円となります(いずれも税別)。

この記事では、iPhone Xで刷新された4つのポイントを挙げ、その他の注目ポイントについても紹介します。

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1. ホームボタンの消滅

アップルとしては後述する「すべてがスクリーン」という特徴を強く打ち出したいのでしょう。しかし、ユーザーがiPhone Xを日常的に使う中で最も影響を受けるのは、「すべてがスクリーン」となった反射としてiPhoneの象徴的な存在だった「ホームボタン」が消滅したこと。長年のiPhoneユーザーからすれば、まさに"革命"レベルの出来事です

iPhoneと言えば、ホームボタン。ホームボタンと言えば、iPhoneーー。デジタル機器の取り扱いに不慣れなユーザーでもiPhoneをそれなりに利用できたのは、「操作に困ったら、とにかくホームボタンを押せばよい。そうすればホーム画面に戻れる」というホームボタンの分かりやすさが大きく寄与していたからです。

iPhone Xでアプリからホーム画面に戻る方法は、画面下からのスワイプ操作。従来のコントロールセンターの表示方法と被ったので、コントロールセンターの表示は画面右上から下へのスワイプ操作に変更されました(通知の引き下ろしは左上から下スワイプ)。また、画面下からスワイプする途中で止めれば、マルチタスク画面が表示されます。画面下からスワイプすることで、いま起動中でホーム画面の上層に表示されているアプリを、奥に隠れた中層のマルチタスク画面、さらに下層のホーム画面に投げ落とすような操作感のようです。

アプリ起動中に画面下部を横スワイプすることで、起動中の他のアプリに切り替えられます。Macで全画面表示しているアプリケーションをトラックパッドのスワイプで切り替える操作に似ています。

ホームボタンから起動していた機能にも変更あり。Siriは側面のサイドボタン(電源ボタン)を長押しで起動。Apple PayのWallet画面は、サイドボタンを2クリックで表示できます。スクリーンショットの撮影方法もサイドボタン+音量を上げるボタンに変更されているとのことです。

とにかく、iPhone Xでは、頻繁に利用することになる操作に大きな変更が加えられています。最初は直感的に理解できず戸惑うユーザーが続出するはずです。

もっとも、iPhoneが世に出てから10年以上が経ちました。ユーザーがタッチディスプレイの扱いに習熟してきていることを考慮すれば、そろそろ次の段階に駒を進めても良いだろうとアップルが判断したのでしょう。そうだとしても、すべての新機種でホームボタンを消滅させず、旧来型のiPhone 8シリーズと併存させる形でiPhone Xをリリースしたのは、iPhoneシリーズの幅広いユーザー層を考慮したアップルなりの配慮だと考えられます。はたして来年か再来年の新機種からはホームボタンが一掃されるのでしょうか。

2. 四隅がカーブした5.8インチ有機ELディスプレイとベゼルレスデザイン

長らく噂されていたとおり、ディスプレイには有機EL(OLED)が採用されました。有機ELだけあって、色の再現性や発色がよく、コントラスト比も1,000,000:1で黒をしっかりと表現できます。旧機種におけるRetina HDディスプレイの上位版となるSuper Retina HDディスプレイに格上げされ、サイズは5.8インチ、解像度は2436×1125、458ppi(iPhoneとして歴代最高の解像度)。アップルによれば、従来の有機ELで弱点とされていた輝度・色域・色再現性を克服したといいます。もちろん、3D touch機能にも対応しています。

外見上、特徴があるのはディスプレイ四隅のコーナーがカーブしており、かつ、ベゼルレスと表現しても差し支えないほどベゼル幅が狭いことです。代わりに物理的にも仮想的にもホームボタンが取り除かれました。最終的に後継モデルでは、筐体前面が完全にディスプレイで覆い尽くされているデザインに行き着くことになるのでしょう。

「ディスプレイが5.8インチだから、5.5インチのiPhone 8 PlusやiPhone 7 Plusよりも端末が大きくて重いのか?」と思いきや、筐体サイズは大きさが143.6mm × 70.9mm × 7.7mm、重さが174グラムと、iPhone 8 Plusよりも小さく軽く、むしろiPhone 8(無印)に近い位のサイズ感となります。

3. 顔認証システム「Face ID」の登場

iPhone 5sで導入された指紋認証システム「touch ID」が、iPhone Xでバッサリ切り捨てられました。アップルの次の一手は、顔認証の「Face ID」です。Touch IDでは他人を誤認証してしまう他人受入率が5万分の1だったところ、Face IDでは100万分の1まで向上したといいます。

Face IDは、個人の顔の造形データを端末内部でセキュアに保存し、iPhoneのロック解除やApple ID認証、Apple Payによる決済などに利用します。顔をFace IDに登録する際、3万以上の目に見えないドットを顔に投射して解析し、顔面の深度マップが作成されます。髪型や化粧による変化やメガネの有無などは機械学習によって対応されるとのこと。3Dで顔を認識するため、写真では認証を突破できません。

筐体前面の上部中央には、ステータスバーを遮るスペース(切り欠き)があり、ここにTrueDepthカメラシステムと呼ばれる一連のカメラ・センサー類が集約されています。TrueDepthカメラに顔を向ければ(つまり画面を自分側に向ければ)、Face IDによって、すっとロックが解除される仕組みです。

4. ついにワイヤレス充電に対応

筆者が個人的に嬉しいのは、iPhoneがついにワイヤレス充電に対応したこと。iPhone Xだけでなく、iPhone 8/8 Plusもワイヤレス充電が可能。Qi(チー)規格に対応しているため、既に世に出ている多くのワイヤレス充電器を使えます。バッテリー持ち自体もiPhone 7から2時間長くなりました。

アップルは2018年に純正のワイヤレス充電器となる「AirPowerマット」を発売する予定。幅広の充電器であるため、iPhone XiPhone 8Apple WatchAirPodsなどを複数台並べて同時に充電できます。枕元やリビングに設置しておけば、現状のLightningケーブルによる充電よりもスマートに充電できるようになるはずです。

純正BluetoothイヤホンのAirpodsに加え、充電もワイヤレス化したとなれば、LightningケーブルをiPhoneに繋げる機会が激減するというユーザーは少なくなさそうです。

その他の注目ポイント

ここまで4つの刷新ポイントをざっくり紹介してきました。以下、その他の注目ポイントを挙げていきます。

アニ文字

アニ文字(Animoji)は、ユーザーの表情を読み取ってアニメーションする特殊なギミック文字。音声も録音され、相手側で再生されます。文字というよりも音付きの動くスタンプと表現した方が適切かもしれません。顔の動きを認識するのは、Face IDの認証に使われるTrueDepthカメラ。当初は、犬や猫、豚、ユニコーンなど12種類のパターンを楽しめます。

iPhone Xの発表イベントでは、メッセージアプリでアニ文字でデモンストレーションを実施していました。

カメラ

アウトカメラはiPhone 8 Plusと同様に、12メガピクセルのデュアルレンズ(F値1.8の広角レンズ・F値2.4の望遠レンズのデュアルレンズ)。

光学ズームと最大10倍のデジタルズームおよびデュアル光学式手ぶれ補正機能を搭載。iPhone 7の光学式手ぶれ補正機構は広角側のみで搭載されており、望遠側では未搭載でした。また、進化したポートレートモードとポートレートライティング(ベータ版)を使えます。ポートレートライティングは、被写体が美しく写るような照明エフェクトをかけてくれる機能です。

ビデオ撮影のフレームレートは、4Kビデオ撮影で60fps、1080pスローモーションビデオ撮影で240fpsと、iPhone 7から倍増しました。

フロントカメラ(TrueDepthカメラ)の画素数は7メガピクセルF値2.2。フロントカメラでもポートレートモードおよびポートレートライティング(ベータ版)に対応しました。

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