8割充電で寿命は1.5倍 正しいバッテリーの使い方

パソコンスマートフォンスマホ)のバッテリーが持たない――。誰もが一度は体感したことがあるだろう。特に、長年使ってきたバッテリーは、充電しても以前のように長持ちしない。だが、工夫次第でバッテリーの寿命を延ばすことも可能だ。

パソコンやスマホのバッテリーが持たない原因の1つに、“へたり”がある。へたるとは、バッテリーが劣化して、初期の容量より減ってしまった状態のこと。バッテリーは充電すればまた使えるが、何度も繰り返していると劣化してくる。長い目で見れば“消耗品”だ。

 バッテリーがどんどん劣化してしまう“悪い使い方”をしていないだろうか。ここでは、バッテリーの特徴を理解したうえで、劣化を抑える具体的な対策を見ていこう。

■バッテリーは使っていなくても劣化する

 現在のノートパソコンは、ほとんどがリチウムイオンタイプのバッテリーを搭載している。以前のニッケル水素タイプに比べると、軽くて出力が高く、自然に放電しにくいという長所がある。

 リチウムイオンタイプのバッテリーが劣化する原因は主に2つある。それが「サイクル劣化」と「保存劣化」だ。まずは2つの劣化について説明しよう。

サイクル劣化は、バッテリーが充電と放電を繰り返すうちに、内部の化学反応などによって劣化が進むこと。一般的には300~500回程度の充電と放電を繰り返すと容量が約半分になるといわれている。利用者の使い方にもよるが、毎日充放電しているなら1年半程度で容量が半分になる計算だ。

 一方の保存劣化は、使わずに放置したままでも劣化する現象だ。バッテリーを温度の高い状態で保存すると劣化が進む。さらに、満充電の状態や完全放電(0%)の状態でも劣化が進んでしまう。

 サイクル劣化の影響は大きいものの、「バッテリーを使わない」という選択肢は無意味なので、保存劣化をいかに防ぐかを対策していこう。

まず、ノートパソコンを高温にしないことが重要だ。例えば、日差しが強い日中に、自動車の中にパソコンを放置したり、パソコンの電源を入れたままバッグの中に入れるのはNG。また、パソコンの上に書類などが置かれていると、パソコンの放熱口を塞ぎ熱がこもりやすい。

「理想的な温度は10~30℃」(パナソニック ITプロダクツ事業部)だという。夏場で室温が30℃を超える部屋での放置は避けたほうがよい。逆に冬場、極端に気温が低い場所で使うのもバッテリーにはよくない。

 満充電による劣化の防止には、容量が80%になったら充電を止めるのが有効だ。「実験では80%の充電を続ければ、満充電と比較して寿命が1.5倍に延びた」(富士通 パーソナルビジネス本部 武田義郎氏)とのことなので、日ごろから80%充電を続ければ寿命は確実に延びるはずだ。

 ただ、出張などで1日中パソコンを持ち歩いて使う場合は、80%しか使えないよりも目いっぱい使えたほうが圧倒的に便利だ。そこで、日常で使うときは80%にしておき、長時間使うときは満充電にするのがいいだろう。

80%の充電をするには、専用のユーティリティーソフトを使えばよい。最近の大手メーカー製パソコンならたいてい付属している。例えば、富士通の最新ノートなら「バッテリーユーティリティ」を使う。ソフトを起動したら「バッテリー満充電量」を選び、「80%充電モード」を選ぶだけと簡単だ。

 パソコンを主に自宅などで使う場合は、バッテリーパックをパソコンから取り外し、AC電源で駆動するのもバッテリーの延命に有効だ。ただし、バッテリーを取り外して利用すると、電源コードに足を引っ掛けてコードが抜けた場合などに、パソコンの電源が突然切れてしまうので注意が必要だ。

完全放電に気を付ける

 ノートパソコンを長期間使わないときは完全放電に注意しよう。バッテリーは起動していない状態でも少しずつ放電する。1カ月以上使わない場合は、容量を5~7割程度にしてからバッテリーパックを取り外し、適温の場所に保存するとよい。

 なお、使っているパソコンの現在の満充電時の容量を知るには、専用のフリーソフトを活用するとよい。パソコン購入時の容量(設計容量)と、現在の最大容量を画面上で確認できる。

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